2016年の「このミステリーがすごい」大賞の隠し玉作品です。
第1刷発行のモノを買っていたので、やっと読むことが出来ました。
買った当時は仕事で忙しく読む暇がなく、退職後はしんどいのと他の積み書もたまっていたこともありようやくです。
この作品は平林美和(主人公)、いつも一人でいる戸塚原くん、いつも明るく元気でみんなに平等な生徒会役員の倉持穂乃果の三人の視点から構成されています。
それに美和の弟ユウちゃん、倉持穂乃果の親友の遠藤安子が主要人物として登場します。
周囲を軽蔑する美和がファイナルプランと命名した大量殺人を実行しようとするのがメインストリーです。
美和パートは彼女がどういう風に周りの人間の事を思っているのかの語りの部分とユウちゃんとの対話、ファイナルプラン実行に向けた過程が書かれています。
戸塚原くんパートはお兄さんに宛てた手紙ベース書かれており、思春期の男の子の心の揺れ動きが書かれています。
穂乃果パートは彼女が日々の出来事をブログに書き込んでいる内容ベースで書かれています。
そこに安子が関わりストーリーが展開されていきます。
三人のパートで書かれているので誰に感情移入して読むかによってかなり感想やこの本のイメージが変わってくる作品だと思います。
たぬ吉は初めて読んだので主人公美和目線で読んでいました。
帯には「書店員絶賛!戦慄のブラックどんでん返し!」と書かれていたので期待して読みました。
たしかにブラックなどんでん返しでした。
ネタバレになったしまう部分もあり申し訳ないですが、たぬ吉的にはあまり気持ちの良い終わり方ではなかったです。
ファイナルプランが実行され美和がどうなっていくのか書ききって欲しかった。
この終わり方は正直・・・でした。
あまり頭の良くないたぬ吉の感想なので、読み切れていない部分もあるかと思いますが、まず思ったのが戸塚原くんは各章に1パートごとにお兄さんとの手紙でやりとりをしているのですが、メインのストーリーでは特に見せ場が無く終わってしまって何だったのか役割がよく分かりませんでした。
そして第二章では「三年前にーーー兄さんはまだお墓には入っていなかったんだなあと、何だかーーー」とありお兄さんはもう亡くなっているのかと思っていましたが、第十一章では「ひさしぶりに兄が実家に帰ってきた。」と書かれていて混乱しました。
正直メインストーリーには何の関係もないであろう戸塚原くんパートなのでまぁいいかとも思ったのですが、結局どっちか分からずでした。もう一人の兄だったのかな?
どこかに書かれていたんですかね?たぬ吉の読解力では見つけられませんでした。
そして他に目についたのは、もう修正されているかもしれませんが主要人物である倉持穂乃果の名前が第二章で倉橋穂乃果なっていたり。まぁこれは単純ミスだと思います。
そして最後に出てくる穂乃果のファイナルプラン、(正確にはファイナルプランとは書かれていませんが、便宜上そう呼ばせて頂きます。)はどんでん返しの後味の悪さと役割のわからなかった戸塚原くんパートを挟んだことによりあまりインパクトがなく感想が難しいところです。
たぬ吉はこのような機密事項的な重要なことは安易に他人を信用して話してはいけないなと思いました。
いや、そこまで重要なことじゃなくてもやっぱり他人を簡単に信用するのはよした方が良いのだろうなといった感想です。
なんだか人間不信になりそうでした。
なんだか粗探ししてレビューした記事みたいになってしまいました・・・
この作品は好き嫌いが分かれる作品だと思います。
気になる方は是非一度読んでみて下さい。